左カレイの右ヒラメ

またの名をひーさん記

ラブホテルの部屋は慎重に選ばなければならない

ここ沖縄県には2大ラブホ街がある.

 

一つは本島中部地区・沖縄市比屋根(ひやごん).

このエリアの特徴は,各部屋がガレージ直結式になっており.

車からそのまま部屋(大体1棟貸し)に入ることができる.

 

もう一つは本島南部地区・那覇市辻.

ここは比屋根と違いウォークイン方式のため,

入室する際には必ずフロントを通らなければならない.

 

すなわち,南部地区のホモにとって那覇のラブホは

ちょっと面倒なのである.(ちなみに価格も那覇がちょっと高い)

 

そんな南部ホモがよく利用するのが,

南部とも中部ともどっちつかずの浦添市にある某ラブホテル.

部屋のすぐ近くまで車で行けるうえ,フロントを通らずにチェックインができる.

 

このホテル,変わった部屋がいくつか用意されており,

教室のセットや電車のセットなどのコスプレ系だけでなく,

漫画がたくさん置かれた部屋,カラオケに特化した部屋など,

沖縄のラブホの中ではそれなりに趣向をこらしている施設なのである.

 

そんなわけで,こんなひーさんでも5万年に1回くらいは

ラブホを使用する事態に巻き込まれることがある.

 

この日もマッチングアプリで知り合った男性と,

車で入れるという理由だけでこのホテルにやってきた.

 

平日の夜ということもあって,部屋の稼働率はまぁぼちぼち.

値段だけを気にして部屋を選び,手ごろなお部屋のパネルをポチっと押し,

周囲の人影を気にしつつ車からさっと降りて部屋へ入室した.

(ガレージタイプではないので駐車場は共用)

 

ちなみに,ひーさんはマッチングアプリ等で知り合った人には

「会社員である」と名乗っている.

だってやばいだろ,33歳の無職って.

元看護師,とかわざわざ言うまでもないので,「会社員」で統一している.

 

閑話休題

 

入ったお部屋はいたってシンプル.

テレビドーン,テーブルドーン,ベッドドーン,と置かれてるだけ.

至ってシンプルなザ・ラブホ.

ただ一点だけ気になる.

なぜかベッドの右側にカーテンで仕切られた部屋がある.

 

部屋に入ると扉という扉,収納という収納を片っ端から開けないと気が済まない性分の

ひーさんは迷うことなくカーテンを開けました.

 

そしてそこに広がった光景は・・・・!

なんと,診察室のセット!!!

診察用ベッドドーン,先生用の机と椅子ドーン,レントゲンっぽいやつドーン.

 

ここまできたら思わず声に出してたよね.

「わーー!シャウカステンだーーー!wwww」って.

相手は「ん?シャ・・・?ん?シャウ・・・?」みたいなリアクション.

 

おっとこれはいけない.

会社員に擬態していることがバレてしまう.

 

「わーーー!レントゲンの台があるよーーー!」

無駄な言い換え.意味あるのか,このタイミングで.

 

まぁ,大丈夫だろう.咄嗟の機転グッジョブ自分.

とか思ってる間にシャウカステンもどきに貼られているレントゲン写真風の紙が気になった.

 

明らかに脊柱を写してるのに,棘突起の位置が変・・・?

なんかモヤる.全体的に変な形をしているこの写真は何・・・?

と思いつつそのレントゲン風の写真を見ている時に気がついた.

そして叫んだ.

 

「は?このレントゲン,上下逆やんけ!!!!」

 

そしてご丁寧に写真を貼り直すひーさん(自称会社員).

正しい形に貼られた写真を見て満足そうに微笑むひーさん(自称会社員)

それをたた見つめるマッチングアプリで知り合った男性(A 氏).

 

その後,その診察室エリアにはまったく触れないまま,

普通のベッドの上でスーパーハッスル祭りを開催し終え,

そそくさとチェックアウトしようとした時に,

マッチングアプリで知り合った男性に言われたよね.

 

「ひーさんってもしかして医療系の人?」

 

ノーーーーーー!!である.

そういうことは気づいていても黙っていてほしい.

こっちが一生懸命擬態しているのだからそっと心の中に留めておいてほしい.

 

とりあえず,「え.どうかなw」って誤魔化しておいた.

たぶん誤魔化せてないけど.

 

そんな想定外の事件も起こりうるから,

これから自分が入るホテルの部屋は慎重に選ばなければならないな,と思う夏の夜であった.